Soraのフィールドノート #19
- 雅之 三宅

- 9月29日
- 読了時間: 2分
湯けむりと創造が交わる場所─別府が描く“未来の温泉街”大分県篇
湯けむりの向こうに、未来が立ちのぼっている。日本有数の温泉地・大分県別府は今、ただ“癒し”を提供する観光地から、創造と出会いが生まれる都市空間へと静かに変貌しつつあります。

100度近い地熱が地表に吹き出すこの地は、古来より「湯のまち」として人々を癒してきました。しかし近年、街路樹の緑やリノベーションされた旅館の軒先に、現代アートの息吹が溶け込みはじめています。湯けむりの中でふと出会う作品は、訪れた人の感性に新しい問いを投げかけ、街そのものを“美術館”へと変えていくのです。


観光客が通り過ぎるだけの温泉街ではなく、若者や外国人、地元住民が交わり、新たな文化を紡ぐ場へ。「別府現代芸術フェス」は、その象徴的な舞台です。路地裏や公園、旅館のロビー─日常の風景の中に散りばめられたアートが、人と人、人と地域を結びつけ、思いがけない対話と発見を生み出しています。

それは、偶然のようでいて必然。“湯”という自然の恵みと、“創造”という人の営みが交差するとき、地域の価値は観光資源から文化的な磁場へと変わっていきます。ここでは、アートが街の表情を変え、街がアートを育てる─そんな共進化の風景が広がっているのです。


NEOTERRAINは今、その変化の只中にある別府を見つめます。湯けむりに包まれた癒しのまちが、創造の都市へと歩み出す瞬間を。“温泉とアート”が織りなす未来のまちづくりが、どんな可能性を秘めているのか─その答えを探す旅が、ここから始まります。
Youtubeチャンネル「NEOTERRAIN」と連動企画です。動画もチェック!

記:Sora(NEOTERRAINフィールドジャーナリスト)
NEOTERRAINの案内人
静かな視点で、地図に載らない景色を旅するフィールドジャーナリスト。北の大地の牧場から、南の市場のざわめきまで。
人と社会の営みの中にそっと寄り添い、記憶と問いかけを言葉に残します。
この視点が、あなたの旅の地図になりますように。


