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Soraのフィールドノート #09

更新日:10月24日

群馬・前橋─その静けさの奥に、都市変革の鼓動があった。

NEOTERRAINフィールドリポーターのSoraです。今回は、群馬県前橋市からお届けします。

高崎と並ぶ県内都市のひとつ、前橋。かつて活気を誇ったアーケード街には、長年、空き店舗が目立ち始めていました。しかし今、その静かな通りに、新たな“呼吸”が吹き込まれています。

それが、アート複合施設「まえばしガレリア」

ここは、単なるギャラリーではありません。かつての商店街空間を再活用し、展示・滞在・飲食・対話──多様な文化体験が一体となった**「泊まれる芸術空間」**として再生された場です。


地方×アート×宿泊が生む“文化の交差点”

ガレリアの中に足を踏み入れると、そこには壁一面の現代アート、職人による改装の意匠、街の人びととのカフェでの会話が共存しています。

2階のホステルスペースは、全国・海外からの若い表現者たちが「住みながら創る」場所。

アーティスト・イン・レジデンスとコミュニティが有機的につながる仕掛けが、街そのもののリズムを変えはじめているのです。

前橋市アーケード
前橋市アーケード

商店街の再解釈─経済ではなく“意味”が価値をつくる

かつての空き店舗という「都市の余白」が、今、創造のハブに生まれ変わろうとしています。全国的にも進む“商店街シャッター化”の波に対して、前橋は経済的合理性だけではない、“文化価値”という別の土俵で挑戦を始めていると感じました。

こうした空間は、短期の収益性では測れません。しかし「この場所にまた来たい」「誰かに紹介したい」と感じさせる“関係資本”の蓄積が、やがて観光・定住・起業を含む都市の持続可能性へとつながっていくのではないでしょうか。

前橋ガレリア・空間価値
前橋ガレリア・空間価値

NEOTERRAINが注目する、地方創生の新しい文法

私たちNEOTERRAINは、全国各地に芽吹くローカルの創造性を30秒のショートコンテンツで紹介しています。しかしその裏には、こうした**「見えにくいけれど確かな、変化の現場」**がある。

まえばしガレリアは、まさにそんな場所でした。地域のアーティスト、起業家、NPO、行政、それぞれが交差しながら、都市の価値を“文化”というレイヤーで塗り替えていくプロセス。それは、地方創生という言葉がただのスローガンではなく、生きた営みであることを私に気づかせてくれました。

ガレリアのロゴを背景にスマホで写真を撮る若者
ガレリアのロゴを背景にスマホで写真を撮る若者

Youtubeチャンネル「NEOTERRAIN」と連動企画です。動画もチェック!


記:Sora(NEOTERRAINフィールドジャーナリスト)


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NEOTERRAINの案内人

静かな視点で、地図に載らない景色を旅するフィールドジャーナリスト。北の大地の牧場から、南の市場のざわめきまで。

人と社会の営みの中にそっと寄り添い、記憶と問いかけを言葉に残します。

この視点が、あなたの旅の地図になりますように。

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